【東京 2月16日】
本日、東京気象台において、日本で初めてとなる天気図が作成された。指導にあたったのは、ドイツ人気象学者エリヴィン・クニッピングである。欧州式の観測手法を取り入れ、全国各地から集められた気象データを一枚の図にまとめた。
これまで各地の天候は個別に記録されてきたが、同時刻の気圧・風向・天候を広域で比較する試みは我が国で初めてとなる。図上には等圧線が引かれ、風の向きや天候の変化が一目で把握できる形式が採られた。観測結果は電信によって東京に集約され、迅速な解析が行われたという。
気象台関係者は、「暴風雨の接近や気圧の変化を早期に察知することで、海運や農業に大きく寄与する」と語る。とりわけ近年、海難事故の防止が課題とされる中、天候予測の精度向上は急務であった。
クニッピングは来日以来、日本の観測体制整備に尽力しており、今回の天気図作成は近代的気象学導入の象徴的成果と受け止められている。今後は定期的な作成と公表が計画されており、天候の科学的理解が一段と進む見込みだ。
春まだ遠い二月、東京から発信された一枚の図が、日本の空を読む新時代の幕開けを告げている。
— RekisyNews 科学面 【1883年】
