右大臣・菅原道真、大宰府へ下向 ーー 京の都に惜別の声

【平安京 2月16日】

本日、右大臣菅原道真が大宰府へ向けて都を発った。先般の官職罷免と太宰権帥への左遷を受けての下向であり、突然の人事に朝野は大きく揺れている。

道真は学問に秀で、宇多院の御代より重用されてきた人物である。詩文に通じ、政治の実務にも明るいことで知られ、近年は右大臣の任にあった。しかし、政の中枢では藤原氏との対立が深まっていたとされ、今回の措置の背景には宮中における権勢争いがあるとの見方も広がっている。

出立にあたり、邸宅前には門弟や縁者が集まり、別れを惜しんだ。道真は静かに牛車に乗り込み、都大路を西へと進んだという。その姿は憔悴の色を隠せなかったと伝えられる。

都では今回の決定を巡りさまざまな憶測が飛び交っているが、朝廷からは正式な詳報は出ていない。一代の才人が遠き筑紫へ赴くこととなり、都の学問界にも大きな影響が及ぶものと見られる。

春まだ浅い二月、梅の蕾がほころぶ頃、かつて栄華を極めた公卿が都を後にした。平安京の空気には、どこか重苦しい余韻が漂っている。

— RekisyNews 政治面 【901年】

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