禁酒法下の街を震撼 ーー シカゴで“聖バレンタインの日”の惨劇

【シカゴ 2月14日】

本日午前、シカゴ市北部の倉庫街において、男たちが銃撃により命を落とす凄惨な事件が発生した。現場はクラーク街近くの車庫とされ、居合わせた7人が一斉に射殺されたという。

目撃者の証言によれば、警察官の制服を着た男らが現場に現れ、居合わせた者を壁際に整列させたのち、自動小銃で発砲したとみられる。犯行は極めて計画的で、周辺では逃走車両が目撃されたが、犯人の行方はなおつかめていない。

犠牲者の多くは酒類取引に関係していたとされ、禁酒法下で暗躍する組織間の抗争が背景にあるとの見方が強い。近年、市内では酒の密造や密輸を巡る争いが激化しており、当局も取り締まりを強化していた矢先であった。

市警察は「今回の事件はこれまでにない規模の組織的犯行」として特別捜査班を設置。市民の間には動揺が広がり、街には重苦しい空気が漂っている。

愛を祝う日とされるこの日、シカゴは血に染まった。事件は禁酒法時代の裏社会抗争を象徴する惨劇として、長く語られることになりそうだ。

— RekisyNews 社会面 【1929年】

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