【鹿児島県内之浦 2月12日】
宇宙科学研究所は本日未明、鹿児島県内之浦町の宇宙空間観測所から、M-Vロケット初号機を打ち上げ、電波天文衛星「はるか」の軌道投入に成功した。大型固体燃料ロケットM-Vの実用初飛行であり、同時に世界で初めて本格的な電波天文学を目的とする人工衛星の誕生となった。
「はるか」は地上の電波望遠鏡と連携し、宇宙空間から天体の電波を観測することを目的としている。地上では大気の影響で制約を受ける高精度観測を、宇宙から補完することで、銀河中心部や遠方の活動銀河核などの詳細な構造解明が期待されている。特に、地上望遠鏡との同時観測による超長基線電波干渉法の実現は、従来を大きく上回る分解能をもたらすとされる。
今回使用されたM-Vロケットは、これまでの固体ロケット技術を集大成した新型機で、高い推力と打ち上げ能力を備える。初号機の成功は、今後の科学衛星計画に大きな弾みをつける成果といえる。関係者は「日本独自のロケットで最先端の宇宙科学に挑む第一歩」と意義を強調している。
打ち上げ後、衛星からの電波受信も順調に確認され、太陽電池パネルの展開も成功した。今後は軌道調整を経て、本格的な観測運用に入る予定である。宇宙からの電波観測という新たな窓が開かれたことで、日本の天文学研究は国際的にも重要な役割を担うことになりそうだ。
— RekisyNews 科学面 【1997年】
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