金星へ向け歴史的一歩 ソ連、無人探査機ベネラ1号を打ち上げ

【モスクワ 2月12日】

ソビエト連邦は本日、世界で初めて金星到達を目的とする無人探査機「ベネラ1号」を打ち上げた。ロケットは予定通り発射され、探査機は地球周回軌道を離脱、太陽を回る軌道に乗って金星へ向かっている。地上管制当局は、機体の初期動作が正常であることを確認したとしている。

ベネラ1号は、金星周辺の環境を探ることを主眼に設計された探査機で、磁場や粒子の観測装置を搭載している。金星は厚い雲に覆われ、その実態は長らく謎に包まれてきた天体であり、今回の挑戦は惑星科学の新たな地平を切り開く試みと位置づけられている。

ソ連はこれまで月探査で成果を重ねてきたが、今回は地球圏を大きく離れ、他惑星へ直接向かう初の本格的航行となる。関係者は「人類が太陽系を理解するための重要な一歩」と意義を強調している。一方で、長距離通信の維持や航行精度など技術的課題も多く、探査の成否は予断を許さない。

この打ち上げは、宇宙開発をめぐる国際的競争の中でも大きな節目と受け止められており、各国の研究者や報道陣が強い関心を寄せている。金星到達の成否とともに、得られる観測成果が今後の宇宙科学にどのような影響を与えるかが注目される。

— RekisyNews 科学面 【1961年】

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