【横須賀 2月11日】
本日、相模国三浦半島の観音埼において、日本で初めての洋式灯台が正式に点灯し、浦賀水道を行き交う船舶の安全を照らし始めた。白亜の塔から放たれる光は、夕刻の海霧を切り裂くように遠方まで届き、周辺の漁民や船乗りの注目を集めている。
観音埼は江戸湾の入口に位置し、古くから難所として知られてきた。近年、外国船の往来が増す中、近代的な航路標識の整備は急務とされており、今回の灯台建設は新政府の方針を象徴する事業といえる。設計・建設には西洋の技術が導入され、従来の篝火や簡易灯とは一線を画す構造となった。
点灯の瞬間、集まった関係者からは静かな歓声が上がり、海上では停泊中の船が汽笛で応えた。灯台守は「この光が人命と積荷を守る道しるべとなる」と語り、責務の重さをにじませた。
この灯台の完成により、日本の海防と航海は新たな段階へと進む。観音埼の光は、文明開化へ向かう国の歩みを、夜の海に刻む象徴となろう。
— RekisyNews 社会面 【1869年】