【江戸 2月10日】
江戸幕府はこの日、町人からの建議を受け、玉川上水の着工を正式に許可した。人口増加が続く江戸では飲料水の確保が深刻な課題となっており、今回の決定は市中の暮らしを大きく左右するものとして注目を集めている。
計画は、多摩川の水を江戸市中へ引き入れるという壮大なもので、町人の玉川庄右衛門・清右衛門兄弟が主体となって幕府に願い出た。従来、大規模土木は武家主導が常であったが、町人の発案と負担による事業が認められた点は異例である。
江戸では井戸水の枯渇や水質悪化が相次ぎ、火災時の消火用水にも不安があった。幕府は治安と都市運営の観点からも上水整備を急務と判断し、今回の許可に踏み切ったとみられる。工事は長距離に及ぶため困難が予想されるが、完成すれば江戸の飲料水事情は大きく改善される見通しだ。
町人の知恵と行動が幕府を動かした今回の決定は、江戸の都市基盤整備に新たな一歩を刻む出来事として受け止められている。
— RekisyNews 都市史面 【1653年】
