【ブルノ 2月8日】
オーストリア帝国領ブルノの修道院において、修道士で博物学者のグレゴール・ヨハン・メンデルが、植物の形質が一定の規則に従って子孫へ伝わることを示す研究成果を発表した。 これは後に「メンデルの法則」と呼ばれることになる画期的な理論である。
メンデルはエンドウ豆を用い、花の色や種子の形など明確に区別できる形質を世代ごとに観察した。その結果、親の特徴が混ざり合うのではなく、一定の比率で現れることを統計的に示し、形質が独立した要素として受け継がれることを明らかにした。発表は当地の自然科学研究会で行われ、理論と実験結果を丁寧に結びつけた内容となっている。
当初、この研究は植物学の一分野として受け止められ、大きな反響を呼ぶには至っていない。しかし、生物の遺伝現象を数量的・法則的に捉えた点は極めて斬新であり、従来の経験的理解を大きく超えるものと評価されつつある。
修道院の静かな実験室から示されたこの発見は、生物学のみならず、将来の医学や農学にも新たな視野を開く可能性を秘めている。今日の発表が、後世においてどのような意味を持つのか、学界の関心が注がれている。
— RekisyNews 科学面 【1865年】
