【米カリフォルニア 2月6日】
米国のコンピューター企業アップル・コンピュータで共同創業者として技術開発を担ってきたスティーブ・ウォズニアック氏が、同社を去ることが明らかになった。関係者によれば、同氏は経営や製品開発の第一線から退き、今後は教育支援や個人活動に軸足を移す意向とされる。
ウォズニアック氏は、スティーブ・ジョブズ氏とともに同社を立ち上げ、個人が扱える計算機という発想を現実の製品へと結びつけた技術者として知られる。初期の主力機となったアップルⅠ、Ⅱの設計を主導し、操作性と価格の両立を実現した功績は、現在の市場拡大の基礎を築いたと評価されている。
近年、同社は経営体制の再編や製品戦略の転換を進めており、開発現場でも組織的な分業が進んでいた。こうした流れの中で、創業期を支えた個人主導の開発スタイルが一つの区切りを迎えたとの見方も出ている。社内では惜別の声が多く聞かれ、社員の一人は「彼の発想力と遊び心が、会社の原点だった」と語った。
ウォズニアック氏自身は声明の中で、会社との関係は友好的なものだとしたうえで、「次の世代が自由に創造できる環境を支えたい」と述べている。今後は学校教育への寄与や新たな技術支援活動に取り組む見通しだ。
急速に拡大する情報機器産業の中で、一人の技術者の退場が時代の転換点を示す出来事として受け止められている。
— RekisyNews 経済面 【1985年】
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