【東京 2月5日】
帝国議会衆議院において本日、政局を揺るがす緊迫した攻防が繰り広げられた。立憲政友会と国民党は連名で桂太郎内閣に対する不信任案を提出し、議場は開会直後から異様な緊張に包まれた。内閣が議会多数の支持を欠いたまま存続しているとの批判が噴出し、政党側は「憲政の常道」を掲げて政府を追及した。
この日の焦点となったのは、政友会の尾崎行雄による弾劾演説である。尾崎は登壇すると、政府が元老の意向に依拠して組織され、民意を反映する議会を軽視していると厳しく指摘。さらに、内閣が軍部や官僚に支えられた存在であることを問題視し、「政党政治を否定するものだ」と声を張り上げた。その言葉に、議場からは賛同の拍手と抗議の怒号が交錯した。
不信任案提出の背景には、桂内閣成立過程への根強い不満がある。前内閣退陣後、政党内閣の誕生を期待する声が高まる中、再び桂が首班となったことに対し、各地で抗議集会が相次いでいた。議会外でも民衆の政治参加意識は高まり、街頭では憲政擁護を訴える演説が続いている。
本日の攻防は、単なる内閣批判にとどまらず、日本の政治が政党を軸とする憲政へ進むのか否かを問う局面となった。今後の審議の行方次第では、内閣の存立そのものが危うくなる可能性もあり、政局はさらに激しさを増すと見られる。
— RekisyNews 政治面 【1913年】
