徳富蘇峰、「國民新聞」を創刊──新時代の言論を掲げて発足

【東京 2月1日】

本日、評論家・思想家として知られる徳富蘇峰により、新たな新聞「國民新聞」が東京で創刊された。新紙は、近代国家として歩みを進める日本において、国民の立場から政治・社会・文化を論じることを掲げ、既存の新聞とは一線を画す姿勢を鮮明にしている。

創刊の辞において徳富は、欧米諸国の思想や制度を学びつつも、日本の実情に即した議論の必要性を強調した。紙面では政局の動きだけでなく、教育、経済、文学など幅広い分野を扱い、国民的議論の場を築くことを目標に据えるという。発行部数は当初から一定の規模を見込み、知識人や青年層を主な読者として想定している。

編集部関係者によれば、論説には特に力を入れ、筆者自身の責任で意見を明確に示す方針を採るとされる。創刊号では、立憲政治の在り方や社会の進路についての論考が掲載され、早くも反響を呼んでいる。街頭では新紙を求める人々が集まり、新聞売りの声が響いた。

一方、言論の影響力が増す中で、新聞の役割と責任を問う声もある。徳富は、「言論は国を誤らせる刃にも、導く灯にもなり得る」と述べ、慎重かつ大胆な論説を志す考えを示した。

「國民新聞」の創刊は、言論が社会を動かす力として自覚され始めた時代を象徴する出来事として、今後の動向が注目される。

— RekisyNews 社会面 【1890年】

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