若き学生、自己増殖するプログラムを作成──電子計算機の新たな脅威が顕在化

【ピッツバーグ 1月30日】

米国ペンシルベニア州ピッツバーグで、15歳の学生リッチ・スクレンタが、他の計算機へと次々に広がる自己増殖型のプログラムを作成したことが明らかになった。関係者によれば、この仕組みはフロッピーディスクを介して伝播し、起動時に利用者の画面へ予期せぬ表示を行うという。

このプログラムは、アップル社製の個人向け計算機上で動作し、ディスクを挿入することで他の機器にも複製される特徴を持つ。通常の業務や学習に用いられている計算機が、意図せず第三者の作成した命令を実行してしまう点が、専門家の関心を集めている。開発者本人は、悪意をもって作成したものではなく、技術的な興味から試みたと周囲に語っている。

一方で、大学関係者や技術者の間からは、こうした仕組みが今後広く用いられるようになれば、計算機の信頼性や安全性に影響を及ぼす可能性があるとの指摘も出ている。これまで電子計算機は、入力された命令を正確に処理する道具として認識されてきたが、自律的に広がる動作は新しい課題を突き付けた形だ。

現時点では実害は限定的とされるものの、教育現場や研究機関では、外部から持ち込まれる記録媒体の扱いについて注意を促す動きが見られる。個人向け計算機の普及が進む中、今回の出来事は、今後の利用のあり方を考える契機となりそうだ。

— RekisyNews 科学面 【1982年】

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