赤線街に幕 売春防止法完全施行を前に一斉廃業

【東京 1月29日】

売春防止法の完全施行を目前に控え、東京都内をはじめ各地で営業を続けてきた赤線地帯が、きょう相次いで廃業した。東京・向島の鳩の街では、長年にわたり営業してきた赤線店舗97軒がこの日をもって看板を下ろし、戦後の一時代を象徴した街並みは大きな転換点を迎えている。

売春防止法は昭和31年に公布され、段階的な施行が進められてきたが、今年4月の完全施行により、売春を助長する一切の営業行為が禁止されることになる。これを受け、赤線業者の多くは自主的な廃業を選択し、店舗の整理や転業の準備を急いできた。

鳩の街では、閉店作業が進む中、常連客や近隣住民が静かに別れを惜しむ姿も見られた。一方で、地域住民からは「治安や環境が改善される」との期待の声も上がっており、街の将来像を巡って意見は分かれている。

警察当局は、法の完全施行後は違法営業の厳格な取り締まりを行う方針を示しており、戦後の混乱期に生まれた赤線制度は、ここに事実上の終焉を迎えることとなった。

— RekisyNews 社会面 【1958年】

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