【ロンドン 1月29日】
イギリス王室は本日、女王ヴィクトリアの裁可により、新たな軍事勲章「ヴィクトリア十字章」創設を公表した。本章は、戦場における顕著な勇敢行為を顕彰することを目的とし、階級や出自を問わず、真の勇気に対して授与される点を最大の特徴とする。
創設の背景には、近年の対外戦争、とりわけクリミアでの戦役において、名もなき兵士たちが示した献身と胆力が広く知られるようになった事情がある。従来の勲章制度では、将校や貴族に栄誉が偏るとの批判もあり、兵の行為そのものを正当に評価する制度の必要性が王室・議会双方で語られてきた。
発表によれば、章は簡素な十字形とされ、過度な装飾を避ける。これは、勇敢さは飾りではなく行為そのものに宿るとの理念を体現するためだという。授与の決定は厳正な審査を経て行われ、証言と記録に基づく確認が重ねられる見通しだ。
この新章の創設は、軍紀の高揚と士気の鼓舞に資するのみならず、社会に対しても勇気の価値を平等に示す象徴となる可能性を秘める。今後、最初の受章者が誰になるのか、国内外の関心が集まっている。
— RekisyNews 国際面 【1856年】
