【パリ 1月28日】
フランス政府は本日、パリの象徴であるエトワール凱旋門の直下に、第一次世界大戦で戦死した名もなき兵士を悼む「無名戦士の墓」を設ける式典を執り行った。これは、大戦で祖国のために命を落とした数多の兵士を国家として顕彰するための恒久的な慰霊施設である。
今回埋葬された無名戦士の遺骨は、激戦地として知られるヴェルダン戦線から選ばれたもので、階級や出身を問わず、すべての戦没者を象徴する存在とされている。凱旋門という国家的記念碑の下に墓を置くことで、戦争の勝利と犠牲を同時に記憶に刻む意図が込められた。
式典には政府要人や軍関係者、市民らが参列し、厳粛な雰囲気の中で黙祷が捧げられた。参列者の間からは、「名を残さず倒れた兵士たちこそ、祖国の礎である」との声も聞かれ、深い感慨をもって受け止められている。
フランスでは戦後、各地に戦没者慰霊碑が建てられてきたが、首都パリの中心にこのような墓が設けられるのは初めてである。政府は今後、この墓を国民的追悼の場として位置づけ、毎年の記念行事を行う方針を示している。
大戦終結から数年を経たいまも、社会には深い傷跡が残る中、無名戦士の墓は、戦争の悲劇と平和の尊さを後世に伝える象徴となりそうだ。
— RekisyNews 社会面 【1921年】
