思いがけぬ発見を言葉に ウォルポール、書簡で新語「セレンディピティ」使用

【ロンドン 1月28日】

英国の政治家・文筆家として知られるホレス・ウォルポールが、友人に宛てた私信の中で、これまでにない新たな語を用いたことが明らかになった。その言葉は「セレンディピティ(Serendipity)」といい、偶然の出来事から価値ある発見に至る才知を指す表現である。

この書簡は、ウォルポールが蒐集品や学問上の話題について語る中で記されたもので、彼は東洋の寓話集『セレンディップの三人の王子』に触れながら、「探していなかったものを、思慮と観察によって見出す能力」を説明するため、この造語を用いたとされる。語源となった「セレンディップ」は、現在のセイロン島(スリランカ)を指す古称である。

当時の知識人社会では、学問や発見は計画と努力の成果として語られることが多かったが、ウォルポールのこの表現は、偶然と知性の結びつきに新たな光を当てるものとなった。書簡を受け取った側の間でも、この言葉は興味深いものとして受け止められているという。

もっとも、この新語が直ちに広く用いられるかは定かではない。しかし、学問や芸術、さらには日常の経験においても、予期せぬ幸運な発見を一語で言い表す概念が提示された意義は小さくない。

私信の一節にすぎないこの言葉が、将来どのような広がりを見せるのかは未知数である。ただ、偶然を価値へと転じる人間の知恵を象徴する語として、後世に残る可能性を秘めている。

— RekisyNews 文化面 【1754年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次