【青森 1月23日】
本日、青森県八甲田山中において、陸軍が実施していた雪中耐寒行軍が重大な惨事となった。青森歩兵第5連隊第2大隊が行った冬季行軍訓練において、参加した将兵210人のうち、実に199人が凍死・遭難死するという前例のない被害が確認された。
この行軍は、厳寒地における戦闘行動を想定した訓練として計画されたもので、数日にわたり山中を踏破する予定であった。しかし、行軍開始後、猛烈な寒波と吹雪に見舞われ、視界は著しく悪化。気温は急激に低下し、隊列は次第に混乱をきたしたとされる。道を見失った部隊は行動不能に陥り、次々と倒れる兵が続出した。
救援活動は悪天候のため大幅に遅れ、発見された時には多くの将兵が既に命を落としていた。生存者はわずか11人にとどまり、世界の山岳遭難史上でも類を見ない規模の大量遭難事件として衝撃が広がっている。
軍内部では、行軍計画の妥当性や指揮系統の判断、装備や気象判断の不備などを巡り、厳しい検証が避けられない情勢だ。国民の間にも深い悲しみと動揺が広がり、軍事訓練の在り方そのものを問う声が上がり始めている。
八甲田山の厳しい自然がもたらした今回の惨事は、近代日本における軍事史に重い教訓を残す出来事となった。
— RekisyNews 社会面 【1902年】
