「勝利なき平和」を提唱 ウィルソン米大統領、交戦諸国に休戦を呼びかけ

ウィルソン米大統領

【ワシントン 1月22日】

アメリカ合衆国のウッドロウ・ウィルソン大統領は本日、連邦議会において演説を行い、第一次世界大戦の交戦諸国に対し、「勝利なき平和(Peace without Victory)」の理念のもとで休戦と和平交渉に応じるよう呼びかけた。

演説でウィルソン大統領は、いずれか一方の完全な勝利によって結ばれる講和は、敗者に深い怨恨を残し、将来の新たな戦争の火種となりかねないと警告した。そのうえで、各国が相互の安全と独立を尊重する国際秩序を築くことこそが、恒久的平和への道であると強調した。

現在、欧州大戦は長期化と激化の一途をたどり、各国で膨大な犠牲が生じている。中立国であるアメリカは、これまで参戦を避けつつ外交的解決を模索してきたが、今回の演説は、戦後世界の在り方にまで踏み込んだ異例の提言として注目を集めている。

ウィルソン大統領はまた、国際社会が共通の原則のもとで紛争を調停する枠組みの必要性にも言及し、将来的な国際機構の構想を示唆した。この考えは、単なる停戦ではなく、戦争そのものを防ぐ仕組みの構築を目指すものである。

しかし、戦局の主導権を巡って激しく対立する列強が、この呼びかけに応じるかは不透明であり、各国の反応が注視されている。ウィルソン大統領の提唱は、戦争終結への道筋のみならず、戦後国際秩序の理念を巡る重要な問題提起となった。

— RekisyNews 国際面 【1917年】

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