【所沢 1月22日】
陸軍が開発した国産初の飛行船「雄飛号」が本日、埼玉県所沢を発し、大阪方面までの長距離実験飛行に成功した。日本で設計・製作された飛行船が本格的な航続飛行を行うのはこれが初めてであり、航空技術史上の画期的な一歩として注目されている。
雄飛号は、陸軍が航空戦力および偵察・輸送能力の向上を目的として研究を進めてきた軟式飛行船で、機体構造から搭載装置に至るまで国産技術が用いられている。これまで短距離での試験飛行は重ねられてきたが、今回初めて関東から関西に至る長距離飛行が実施された。
飛行は天候の変化や風向の影響を受けつつも概ね順調に進み、機体の安定性、操縦性能、航続力などについて貴重なデータが得られたという。陸軍関係者は「国産航空技術の実用性を示す重要な成果」と評価しており、今後の改良や実戦的運用の研究に大きな弾みがつくとみられる。
欧米列強ではすでに飛行船が軍事・民間の双方で活用されつつあり、日本においても航空分野での自立が急務とされてきた。今回の成功は、海外技術への依存から脱し、独自の航空技術を確立する可能性を示したものとして、軍事関係者のみならず技術者の間でも大きな関心を集めている。
雄飛号の実験飛行は、日本の航空開発が新たな段階へ進んだことを象徴する出来事となった。
— RekisyNews 科学・技術面 【1916年】
