徴兵令改正 戸主への猶予廃止で兵役義務を一層徹底

【東京 1月22日】

政府は本日、徴兵令の改正を公布し、これまで認められていた戸主に対する徴兵猶予規定を廃止した。これにより、家の代表として生計を支えている者であっても、原則として他の成年男子と同様に兵役義務を負うこととなり、国民皆兵の原則が一段と明確化される。

徴兵令は明治6年に施行されて以来、近代国家建設の柱として軍制整備を支えてきたが、実際には戸主や一定の身分層に猶予や免除が設けられていた。今回の改正は、兵役負担の不均衡を是正し、身分や家格に左右されない徴兵制度を確立することを目的としている。

政府関係者は、「近代国家として国防を担う以上、すべての国民が等しく義務を分かち合う必要がある」としており、富国強兵政策の推進と国民統合の観点からも不可欠な措置であると説明している。一方で、農村部や商家からは、戸主が不在となることによる生業への影響を懸念する声も上がっている。

今回の改正は、華族・士族・平民の区別を制度上さらに薄めるものであり、兵役を通じた国民意識の形成を重視する政府の姿勢が鮮明となった。徴兵制度は今後、単なる軍事動員にとどまらず、近代日本における国民形成の重要な装置としての役割を強めていくとみられる。

— RekisyNews 国内面 【1889年】

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