【江戸 1月19日】
本日未明、江戸・芝三田に所在する薩摩藩邸が焼き討ちに遭い、建物の大半が炎に包まれた。近隣住民の証言によれば、武装した一団が藩邸周辺に集結し、発砲や放火が相次いだという。江戸市中では未明から騒然とした空気が広がり、幕府と薩摩藩との対立が表面化した形となった。
薩摩藩邸はこれまで、江戸における同藩の政治・外交の拠点であり、戊辰戦争を目前に控えたこの時期、幕府側から警戒の目が向けられていた。焼討の発端については、薩摩藩士による挑発行為や、浪士らの動きが引き金になったとの見方が出ているが、正確な経緯はなお不明である。
事件発生後、幕府は市中の警備を強化し、騒乱の拡大を防ぐ構えを見せている。一方、薩摩側はこれを不当な襲撃として強く反発しており、江戸と薩摩の緊張は決定的な段階に入ったとの声も聞かれる。市井では「いよいよ戦が避けられぬのではないか」との不安が広がっている。
この焼討事件は、すでに各地で武力衝突が続く情勢の中、旧幕府勢力と薩摩・長州を中心とする新政府側の対立を一層先鋭化させる出来事となった。今後、江戸の治安や政局がどのように推移するのか、国内外の注目が集まっている。
— RekisyNews 政治・社会面 【1868年】
