第一次モロッコ事件解決へ列強集う アルヘシラス会議開幕

ヴィルヘルム2世のタンジール訪問

【アルヘシラス 1月16日】

モロッコを巡る列強間の緊張状態を調停するため、本日、第一次モロッコ事件の解決を目的とした国際会議「アルヘシラス会議」が、スペイン南部の港町アルヘシラスで開幕した。会議にはドイツ、フランス、イギリス、ロシア、アメリカ合衆国など欧米主要国が参加し、北アフリカ情勢の行方を左右する重要な協議が始まった。

今回の会議は、モロッコにおけるフランスの影響力拡大に対し、ドイツが異議を唱えたことを発端とする国際的対立を背景としている。特に昨年のドイツ皇帝ヴィルヘルム2世によるタンジール訪問以降、欧州では大国間の武力衝突さえ懸念される状況が続いていた。こうした緊張を回避するため、列強は外交的解決を模索し、国際会議の開催に踏み切った。

議題の中心は、モロッコの主権と独立を形式的に尊重しつつ、警察権や財政管理をどの国が担うかという点にある。フランスとスペインは現地治安への関与を主張し、ドイツは自由貿易と列強の平等な経済的権利を強く訴えている。アメリカ合衆国は中立的立場から調停役を果たす姿勢を示している。

外交筋の間では、会議の行方次第で欧州の勢力均衡が大きく左右されるとの見方が強い。今回の協議は単なるモロッコ問題にとどまらず、列強間の同盟関係や将来の国際秩序を映す試金石になるとも指摘されている。各国代表の慎重な駆け引きが、しばらく続く見通しである。

— RekisyNews 国際面 【1906年】

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