仏政界と世論を揺るがす告発 作家ゾラ氏、公開書簡「私は弾劾する」発表

ドレフュス大尉

【パリ 1月13日】

フランスの著名な作家エミール・ゾラ氏は本日、反逆罪で有罪とされた陸軍大尉アルフレッド・ドレフュスの無実を主張する公開書簡「私は弾劾する(J’accuse…!)」を日刊紙に発表した。この書簡は、軍と司法当局の判断を正面から批判し、事件をめぐる不正と偏見を名指しで告発する内容となっている。

ドレフュス大尉は、数年前にドイツへの機密漏洩の罪で有罪判決を受け、国外の孤島へ流刑とされた。しかし、その証拠の信憑性や審理の公正さには、かねてから疑問の声が上がっていた。ゾラ氏は今回の書簡で、軍上層部が誤りを隠蔽し、反ユダヤ主義的偏見が裁判を歪めたと断じ、具体的な人物名を挙げて責任を追及している。

この公開状は、瞬く間に国内外で大きな反響を呼び、新聞社前には議論を交わす市民が集まった。支持者は「正義を求める勇気ある行動」と称賛する一方、反対派は「国家と軍の権威を損なう行為」と激しく非難している。政府関係者の間でも対応を巡る協議が始まっており、政界全体を巻き込む論争へと発展する様相を見せている。

今回の告発により、ドレフュス事件は単なる一軍人の裁判を超え、司法の公正、言論の自由、国家権力の在り方を問う問題として再燃した。ゾラ氏自身も名誉毀損などの訴追を受ける可能性が指摘されており、事態の行方は依然として予断を許さない。

— RekisyNews 社会面 【1898年】

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