【ベルリン 1月9日】
本日、ドイツ政府は、第一次世界大戦の講和条件として課された総額358億マルクに及ぶ賠償金の支払いが不可能であると公式に宣言した。世界恐慌の影響が深刻化する中、財政と通貨の逼迫が限界に達したとの判断によるもので、欧州各国に波紋が広がっている。
政府当局は声明で、輸出の急減、失業者の激増、税収の落ち込みが重なり、従来の返済計画を維持することはもはや現実的でないと説明した。すでに昨年、賠償問題の緩和を目的とした国際的調整が進められていたが、今回の表明はそれを一歩進め、事実上の支払い停止を内外に明確化したものと受け止められている。
この賠償金は、講和条約に基づき長期にわたり分割支払いが定められてきたが、国内では「国力を超える負担」との反発が根強かった。金融界からは、賠償問題の決着がつかなければ欧州経済の安定は望めないとの声が上がる一方、債権国側では条約の拘束力を重視する意見も強い。
今回の宣言は、戦後秩序そのものの見直しを迫る重大局面として国際社会に受け止められており、今後の交渉の行方が注視されている。
— RekisyNews 国際経済面 【1932年】
