冬宮殿前で流血の惨事 皇帝への請願行進が武力弾圧に転ず

血の日曜日事件

【サンクトペテルブルク 1月9日】

本日、帝都サンクトペテルブルクの冬宮殿前広場において、労働者やその家族らによる大規模な請願行進が行われたが、これに対し官憲部隊が発砲し、多数の死傷者を出す事態となった。皇帝 ニコライ2世 に直接窮状を訴えようと集まった非武装の民衆が流血に倒れたこの事件は、早くも「血の日曜日」と呼ばれ始めている。

行進を主導したのは、労働者の信望を集める聖職者ガポン神父で、賃金改善や労働時間短縮、言論の自由などを求める請願書を携え、平和的な意思表示を強調していた。参加者の多くは聖像や皇帝の肖像を掲げ、歌や祈りを捧げながら冬宮殿へ向かったとされる。

しかし、広場周辺に配置されていた近衛兵や警察部隊は群衆の接近を阻止し、混乱の中で実弾を用いた発砲が行われた。現時点で正確な被害数は判明していないが、婦人や子どもを含む多数の市民が死傷したとの報が相次いでいる。皇帝は当日、宮殿に不在であったと伝えられる。

この出来事は、皇帝への忠誠を前提としていた民衆の意識に深刻な亀裂を生じさせ、帝国各地で高まっていた不満を一気に噴出させる引き金となる可能性がある。専制体制への信頼が根底から揺らいだ瞬間として、今後の国内情勢に重大な影響を及ぼすことは避けられない情勢である。なお、本件の日付はロシアで用いられている暦によるもので、西欧諸国の暦では今月22日に相当する。

— RekisyNews 国際・社会面 【1905年】

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