スピルバーグ最新作『1941』、本日プレミア上映──伊19潜水艦による“本土砲撃”を描く異色の戦争コメディ

伊号第十九潜水艦

【ロサンゼルス 12月13日】

映画監督スティーヴン・スピルバーグ氏の最新作 『1941』 が本日、ロサンゼルスにてプレミア上映された。第二次大戦下のアメリカ西海岸を舞台に、日本海軍・伊号第十九潜水艦が米本土を砲撃する という大胆な仮想設定を用いた戦争コメディで、会場は作品の話題性に沸いた。

物語は、太平洋戦争開戦直後のロサンゼルス近郊に、伊19潜水艦が密かに迫るところから始まる。作中では、潜水艦が海岸の遊園地を誤認して砲撃したり、混乱の中で米軍戦車が暴走し街に被害を与えるなど、軍事的緊張と市民のドタバタ劇が交錯する独特の“スピルバーグ節” が光る。関係者によれば、史実をなぞるのではなく、当時の米国本土に広がった“日本軍来襲への恐怖”を、あえて誇張して描いたという。

上映後の舞台挨拶でスピルバーグ氏は、「戦争の狂気と滑稽さを同時に描きたかった。恐怖もパニックも、時に人間味ある笑いにつながる」と述べ、作品の狙いを語った。会場からは笑いと驚きが入り混じる反応があり、観客の一人は「戦争映画なのに笑ってしまう。だが、その裏に緊張の時代が映し出されている」と感想を語った。

出演者には、ジョン・ベルーシやダン・エイクロイドといった人気コメディ俳優が名を連ね、彼らが暴走する戦車部隊や混乱する市民を生き生きと演じている。一方で、VFXや爆破シーンなどスピルバーグ作品らしい大規模な演出も多く、「コメディでありながらスペクタクル映画」という新ジャンルを切り開こうとしている印象だ。

映画評論家の間では、戦争をユーモラスに扱う手法に賛否が分かれているものの、娯楽性の高さと映像技術の挑戦 は広く評価されている。年末公開を控え、興行面でも注目が集まることは間違いない。

“本土砲撃”という大胆な想像をベースに、笑いと混乱が渦巻く『1941』。スピルバーグの挑戦は、1970年代末のハリウッドにまた一つ新たな風を吹き込もうとしている。

— RekisyNews 文化面 【1979年】

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