【東京・赤坂 12月9日】
本日未明、人気タレント ビートたけし 氏と、いわゆる “たけし軍団” のメンバーらが、写真週刊誌「フライデー」の編集部(講談社・東京本社)に押しかけ、編集部員ともみ合いになる騒動が発生した。警視庁は、建造物侵入などの疑いでたけし氏を含む計12人を逮捕。芸能界とメディア双方に大きな衝撃が走っている。
事件が起きたのは午前1時過ぎ。関係者によれば、たけし氏らは編集部入口からビルに入り、そのままフロアへ突入。現場では複数の編集部員と口論・取っ組み合いになり、少なくとも数名が負傷したという。編集部員の一人は「突然大勢が押し寄せてきて、何が起こったのか分からなかった」と驚きを語り、別の社員は「怒号が響き、フロアは完全に混乱状態だった」と振り返った。
騒動の背景には、フライデー誌による軍団関係者の女性への“強引な取材”があったとされ、軍団側は以前から同誌の取材姿勢に強い不満を抱いていたとみられる。軍団メンバーは取り調べに対し、「仲間を守りたかった」「やりすぎたことは分かっている」と供述しているという。
逮捕されたたけし氏は警察署での短いコメントで、「関係者に迷惑をかけた。申し訳ない」と述べたと関係者は伝えているが、事件の動機や詳細については捜査が続けられている。
芸能界では衝撃と困惑が広がり、各テレビ局は特別編成で騒動を報じた。ある放送関係者は「たけしさんほどの人気者が逮捕とは信じられない」と肩を落とし、街頭インタビューでも「やり方はまずかったが、気持ちは分かる」という声と、「暴力は許されない」との批判が分かれた。
一方、出版社側は今回の事件を受けて警備態勢の強化を検討しており、メディアの取材方法と芸能人側の対応をめぐって議論が再燃する可能性がある。
今回の襲撃事件は、芸能人と週刊誌との関係性に一石を投じる出来事となり、今後のメディアと芸能界の在り方に大きな影響を及ぼすことは確実だ。
— RekisyNews 社会面 【1986年】
