【ニューヨーク 11月26日】
ワーナー・ブラザース製作による新作映画『カサブランカ』が26日、ニューヨークのロキシー劇場にて世界初公開された。主演はハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン。戦時下のフランス領モロッコを舞台に、亡命者たちとその運命が交錯するラブロマンスである。
観客を魅了したのは、ボガート演じるリック・ブレインの孤独と信念、そしてバーグマン演じるイルザ・ラントとの再会と別離の物語だ。舞台となるカサブランカの酒場「リックのカフェ・アメリカン」には、様々な立場の人々が集い、ナチスの支配が色濃く影を落とす中で人間の尊厳と愛のあり方が問われていく。
本作は当初、来年(1943年)初旬に全国公開される予定だったが、連合軍の北アフリカ上陸作戦(トーチ作戦)とタイミングを合わせる形で公開が前倒しされたという背景もあり、政治的緊張と芸術性が融合した作品として注目が集まっている。
挿入歌「As Time Goes By(時の過ぎゆくままに)」もまた、劇中の哀愁を象徴する旋律として高い評価を受けており、映画の余韻を一層深くしている。
この戦時下において、『カサブランカ』はただの娯楽作品にとどまらず、選ぶべき正義とは何か、愛よりも優先されるべき使命があるのかという普遍的なテーマを観客に問いかける秀作として、今後の広範な反響が予想される。
— RekisyNews エンタメ面 【1942年】
