『学問のすゝめ』、ついに完結──福澤諭吉、第十七篇を刊行

【東京 11月25日】

慶應義塾の創設者として知られる福澤諭吉氏が、本日『学問のすゝめ』の第十七篇を刊行し、全篇をもって本書が完結した。1872年の初篇刊行以来、4年余りをかけて書き継がれてきた本書は、明治の啓蒙思想を広く一般に伝える役割を果たし続けてきた。

最終篇では、個人の自由と独立、国家の進歩との関係が改めて論じられ、「独立の気力なき者は、国の独立を保ち得ず」との力強い一文が読者の胸を打つ。氏はこれまでも一貫して、封建的な身分秩序から脱し、知識と理性に基づく文明社会への転換を説いてきた。

初篇の冒頭に記された「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という文言は、今日に至るまで多くの読者に衝撃と感銘を与えており、各地の書店では再版が重ねられている。今回の最終篇刊行により、シリーズ全体を通じて明治社会に生きる人々に強い精神的影響を与えたことは疑いない。

本書は庶民教育の基礎となるのみならず、近代国家の構築に向けて一石を投じる存在であり、今後も多くの家庭や寺子屋での読み本として親しまれていくことが予想される。

— RekisyNews 文化面 【1876年】

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