ミッキーとミニー、ニューヨークで鮮烈デビュー 新作短編『蒸気船ウィリー』公開

【ニューヨーク 11月18日】

本日、マンハッタンのコロニー劇場で、ウォルト・ディズニー氏率いる制作陣の新作アニメーション短編『蒸気船ウィリー』が公開され、観客の注目を集めた。作品にはユーモラスな黒い耳の小柄なキャラクターミッキー・マウスと、同じく新登場のミニー・マウスが登場。軽快な音楽と動きがぴたりと合わさった映像表現が話題を呼び、場内は笑い声と拍手に包まれた。

『蒸気船ウィリー』は、蒸気船で働く若い船員ミッキーが、乗客のミニーと再会し、荷物の動物たちと騒動を繰り広げるという筋立て。特に、口笛や楽器に合わせて背景音と動きを同期させた表現は、これまでの無声アニメとは一線を画している。観客の一人は「絵が踊っているようだ」と驚きを語った。

制作には、ディズニー氏とアニメーターのウブ・アイワークス氏が中心となり、映像と音響を事前に緻密に計算して制作したという。近年、映画界では音声付き映像が急速に広がっているが、アニメーション分野でここまで精巧に音と動きを合わせた作品は稀であり、新時代の幕開けを感じさせる。

ディズニー氏は上映後、「ミッキーとミニーが観客に愛される存在になればうれしい」と語った。今日誕生したばかりのこのふたりが、今後どのような活躍を見せるのか、アニメーション界の関心が高まっている。

— RekisyNews 文化面 【1928年】

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