カスパロフ、最年少でチェス世界王者に カルポフとの激戦制す

【モスクワ 11月9日】

世界チェス連盟(FIDE)主催の世界チェス選手権決勝戦が本日終了し、挑戦者ガルリ・カスパロフ(22)が、5連覇を狙った王者アナトリー・カルポフ(34)を破り、史上最年少の世界チャンピオンに輝いた。

両者の戦いは、9月3日からモスクワで行われ、24局にわたる死闘の末、カスパロフが13対11で勝利。序盤はカルポフが巧みにリードを奪うも、中盤以降はカスパロフが持ち前の攻撃的スタイルで流れを引き寄せ、終盤に逆転を果たした。

今回の対決は、前年にFIDEが試合を打ち切るという異例の事態となった「未決着の王座戦」の再戦として、ソ連国内外の注目を集めていた。当時21歳だったカスパロフは王座目前で終了を告げられ、失意の中からの再挑戦となった。

試合後、カスパロフは「私の勝利は新しい世代の幕開け。カルポフとの対戦は、最高の試練であり、最高の栄誉だった」と語った。今後は1980年代を代表するチェス王者としての歩みが期待される。

一方のカルポフは、1975年以来王座を守り続けてきたが、初めての敗北を喫した。

— RekisyNews 国際面 【1985年】

アイキャッチ画像 Copyright 2007, S.M.S.I., Inc. – Owen Williams, The Kasparov Agency. – http://www.kasparovagent.com/photo_gallery.php, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4507331による

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