【東京 11月4日】
本日未明、歌手・島倉千代子を支援する援護会の事務所宛に爆発物が仕掛けられた小包が届き、開封作業中の事務員1人が負傷する事故が発生した。負傷者は軽傷とみられ、救急搬送されて手当てを受けている。警視庁は直ちに現場を封鎖し、爆発物処理班と捜査一課が合同で調査に当たっている。
事務所関係者によれば、送り主の特定はできておらず、現段階で脅迫文は確認されていないという。しかし関係者は今回の郵便物を島倉氏への威嚇行為の可能性があると懸念しており、捜査当局は同名義で報告されている一連の嫌がらせ事件、いわゆる「草加次郎事件」との関連性を慎重に調べる方針だ。警視庁の広報担当者は「現場にはまだ危険物が残されている可能性があるため、住民の安全確保を最優先に捜査を進める」と述べた。
芸能界や支援者らの間には不安が広がり、援護会は会合の一部中止と事務所周辺の警戒強化を発表した。近隣住民は「人気歌手をめぐる出来事だけに驚いている」と語り、通行人の足取りも見慣れない警察車両で増している。警視庁は市民に対し、類似の不審郵便物を発見した場合は決して触れずに通報するよう改めて呼びかけている。
事件は芸能界に対する直接的な威嚇行為として波紋を広げており、関係者は一刻も早い真相解明を求めている。支援者の一部はこれまでの活動が原因ではないかと懸念を示す一方、警察は冷静な対応を呼びかけ、市民に不安を煽らないよう慎重な情報発信を行う考えだ。
— RekisyNews 社会面 【1962年】
