【ロンドン 11月1日】
本日、イギリスの政治思想家・庶民院議員エドマンド・バーク氏（61）が、激動するフランス情勢に対し警鐘を鳴らす著作『フランス革命の省察（Reflections on the Revolution in France）』を刊行。革命を歓迎する一部英国知識層とは対照的に、同書では「革命は理性と理念に酔った暴走であり、やがて混乱と専制をもたらす」と厳しく断じている。
バーク氏は、伝統と漸進的改革の重要性を説き、国王や貴族の制度的役割を擁護。急進的な人民主権への傾倒は、社会の秩序を根底から崩すとして、革命支持者らの主張を一蹴した。
とりわけ印象的なのは、革命後のフランス王妃マリー・アントワネットの境遇に対する感傷的な記述であり、「私は彼女の崩れた姿を見て涙した」という一節は読者の賛否を分けている。
この出版により、バーク氏はイギリス自由主義陣営の一部から批判を受けており、旧友チャールズ・フォックス氏との決定的な決別も噂されている。
一方で、本書は大陸諸国の保守層から称賛の声が寄せられており、各国での翻訳と出版が進む見通しだ。
今後、革命の行方とともに、バーク氏の見解がどれほど的中するかが注目される。
— RekisyNews 国際面 【1790年】
