【東京 10月28日】
本日午後、中華人民共和国から贈られた2頭のジャイアントパンダ、「カンカン（康康）」と「ランラン（蘭蘭）」が、成田空港を経て上野動物園に到着した。日本でパンダが飼育されるのはこれが初めてであり、到着の知らせを聞きつけた多くの市民が動物園前に詰めかけ、祝賀ムードに包まれた。
今回の来日は、日中国交正常化の記念として贈られた国交親善の象徴であり、毛沢東国家主席から田中角栄首相宛に贈呈が表明されたもの。2頭は北京市の動物園で大切に育てられ、空輸によって来日した。
上野動物園では、特設の「パンダ舎」がすでに完成しており、関係者によれば早ければ来月初旬にも一般公開を予定しているという。動物園側は「ストレスのない環境を整えるため慎重に対応したい」と述べており、2頭の健康管理に万全を期す構えだ。
「ぬいぐるみのようで本当にかわいい」と語る見学者の声も多く、パンダフィーバーの到来を予感させる1日となった。今後、国民的人気を集めることは間違いないとの見方が広がっている。
— RekisyNews 社会面 【1972年】
