日本初の長編カラーアニメ『白蛇伝』、華やかに封切り

【東京 10月22日】

日本初の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』が本日、東映系劇場にて全国一斉公開された。製作は東映動画(現在の東映アニメーション)で、アニメーション界における新たな一歩として注目を集めている。

物語は、中国の古典『白蛇伝』を基に、白蛇の精・白娘と青年・許仙の悲恋を描いた幻想的なラブストーリー。豪華な色彩表現と繊細な人物描写、動きの滑らかさは、これまでの国産アニメには見られなかった新境地として、鑑賞者の目を引いている。

制作には約13万人のセル画が使用され、スタッフ・アニメーターは100人以上。1年を超える歳月をかけて仕上げられた本作には、「日本のディズニーを目指す」という東映動画の強い意気込みが込められている。音楽は木下忠司氏、声の出演には森繁久彌氏や宮城まり子氏などの人気俳優が名を連ね、声と映像の融合による臨場感も高い評価を得ている。

本作は、東映が掲げる「子供たちのためのまっとうな娯楽映画」路線の先陣を切るものであり、今後の日本アニメの在り方を占う試金石とも言える作品だ。劇場前には親子連れを中心に長蛇の列ができており、好調な興行スタートを切っている。

— RekisyNews 文化面 【1958年】

アイキャッチ画像 美術著作物の題号:「ねりまアニメ年表」(白蛇伝)著作者:東映, 日本著作権法46条/米国フェアユース, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=3317704による

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