【東京 10月9日】
今夜、フジテレビ系列にて放送が始まった新ドラマ『北の国から』が、視聴者の間で大きな反響を呼んでいる。初回放送では、東京から北海道・富良野に移住した父とその子どもたちの姿を描き、静けさと温もりを感じさせる物語が幕を開けた。
脚本は、名作『前略おふくろ様』などで知られる倉本聰氏が手がけており、今作では自身が長年過ごしてきた富良野の自然と、地方で生きる人々の素朴な暮らしを背景に、「人間の強さと弱さ」を丹念に描くことが期待されている。
主演は田中邦衛氏。東京での暮らしに別れを告げ、幼い兄妹を連れて富良野へとやってくる父・黒板五郎を演じており、無骨で不器用ながらも子どもたちに真剣に向き合う姿が印象的な第1話となった。子ども役には吉岡秀隆さん(純役)、中嶋朋子さん(蛍役)が起用され、今後の成長と親子の関係性に注目が集まる。
舞台となる富良野の風景は、都会の喧騒とは対照的な広大さと静寂さをたたえ、映像美とともに物語の雰囲気を豊かに彩っている。視聴者からは「自然の中で暮らす人々のリアルが胸を打つ」「派手さはないが、心に残る作品になりそうだ」といった声が寄せられた。
このドラマは毎週金曜夜10時からの放送で、全24話が予定されている。今後の展開では、厳しい自然の中での生活や、親子三人の絆のゆくえが丁寧に描かれていくという。
「本当の豊かさとは何か」──その問いを静かに突きつけるドラマ『北の国から』が、今、始まった。
— RekisyNews 文化面 【1981年】
アイキャッチ画像 Akiyoshi’s Room – Akiyoshi’s Room, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3271057による