「アフタヌーンショー」暴行事件、関与の少年らが“やらせ”を告白──テレビ番組の信頼に揺らぎ

【東京 10月8日】

テレビ朝日系のワイドショー番組『アフタヌーンショー』で今月4日に放送された「不良少年グループによる暴行」の特集をめぐり、事件に関与していたとして逮捕された少年3人が、取り調べの中で「演出された“やらせ”だった」と供述していたことが明らかになった。

当該映像は、路上で複数の少年が一人の少年を殴打する様子をカメラが至近距離から撮影しており、放送直後から視聴者の間で「暴力行為の助長ではないか」「カメラはなぜ止めなかったのか」などと批判が噴出していた。警視庁が暴行容疑で関係者の身柄を確保し捜査を進めていたところ、少年たちが「番組スタッフに頼まれて演技した」と証言。事件は一転、放送倫理そのものが問われる事態となっている。

番組側が少年たちに謝礼を支払っていたか、演技指導を行ったかなどの詳細は捜査中だが、テレビ朝日は「事実関係を確認中」として、社内調査チームの立ち上げを発表。今回の問題により、番組は放送を一時休止するとしている。

『アフタヌーンショー』は1965年から放送されている長寿ワイドショーであり、街の出来事や社会問題を取り上げるスタイルで一定の視聴者層を獲得していた。しかし、今回の事件により「過剰演出」「報道の名を借りた劇化」といった構造的問題が指摘され、メディアの在り方そのものが問われることとなった。

テレビを通じて社会に何を伝えるのか──その責任と信頼性が、今まさに厳しく問われている。

— RekisyNews 社会面 【1985年】

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