英国コメディ界に“非常識”の旋風 『空飛ぶモンティ・パイソン』放送開始

【ロンドン 10月5日】

本日、英国放送協会(BBC)で新たなコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン(Monty Python’s Flying Circus)』が第1回の放送を迎えた。放送時間は夜10時50分、BBC Oneにて。

この番組は、既存のコント番組の常識を打ち破る実験的構成と、ブラックユーモア、ナンセンス、風刺を融合させた異色のコメディショーである。初回からして型破りな構成に、視聴者は困惑しながらも、新たな笑いの可能性に引き込まれていた。

番組を手がけるのは、英国オックスフォードやケンブリッジ出身の若き才能たち──グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、テリー・ジョーンズ、エリック・アイドル、マイケル・ペイリン、そして米国人アニメーターのテリー・ギリアムの6人。彼らが演じる多彩なキャラクターと予測不能な展開は、従来のスケッチコメディとは一線を画している。

政治、階級制度、日常の矛盾を皮肉と笑いで解体するスタイルは、一部批評家からは「不謹慎」とも評されているが、若者層を中心に早くも熱狂的な支持を集めつつある。

番組タイトルにある「空飛ぶ(Flying)」や「サーカス(Circus)」は、特に意味を持たないとされるが、その“意味のなさ”こそがこの番組の核だと制作側は語る。次回放送以降も、定型を壊した斬新な展開が期待されている。

“まったく新しい笑い”を提示したこの番組が、英国コメディ界に何をもたらすのか。今夜、モンティ・パイソンという名の“空飛ぶ常識破り”が、大空に舞い上がった。

— RekisyNews 芸能面 【1969年】

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