【東京・三鷹市 10月1日】
本日、東京都三鷹市の井の頭恩賜公園西園内にて、「三鷹の森ジブリ美術館」が正式に開館した。スタジオジブリ作品の世界観を体感できる初の常設美術館として、開館初日から多くのファンや親子連れが訪れ、にぎわいを見せた。
この美術館は、映画『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』などで知られるアニメーション制作会社「スタジオジブリ」の企画によるもので、構想から約5年をかけて完成。館主にはスタジオジブリの宮崎駿監督が就任しており、設計や展示の細部にわたって自ら監修した。
館内は「迷子になろうよ、いっしょに。」というテーマのもと、絵コンテや原画が展示された創作の部屋、実際に動く立体ゾートロープ、短編映画が上映される専用の小劇場「土星座」など、多彩なコンテンツが詰め込まれている。来館者は、まるでアニメの中に入り込んだかのような錯覚を覚える仕掛けの数々に驚きの声を上げていた。
特に、ネコバスルームや館内に点在する「トトロの受付口」など、子どもも楽しめる体験型の展示が人気を集めており、親子連れの姿が多く見られた。また、美術館の建物そのものがジブリの作品世界を思わせるような柔らかく温かみのある造形で、建築的な見どころも豊富である。
運営は完全予約制となっており、チケットは日時指定の前売り制。混雑を避け、ゆったりと館内を楽しんでもらうための配慮がなされている。
宮崎監督は「アニメーションの原点や手作りの良さを感じてもらえる場所にしたかった」と語っており、今後もさまざまな企画展や短編上映を通じて、「動きと創造の楽しさ」を発信していくという。
— RekisyNews 文化面 【2001年】