おニャン子クラブ、涙と笑顔の解散公演──代々木に集う5万人の別れ

【東京 9月20日】

昭和のアイドル史に新たな一章が刻まれた。本日、国民的女性グループ「おニャン子クラブ」が、東京・代々木第一体育館でのラストライブをもって約2年半の活動に終止符を打ち、解散した。会場には全国からファン約5万人が集い、別れを惜しむ熱気と涙があふれた。

午後5時過ぎ、公演は1曲目「セーラー服を脱がさないで」で幕を開け、グループの軌跡をたどるように、ヒット曲の数々が次々と披露された。渡辺満里奈、工藤静香、国生さゆりら、卒業生を含む多くのメンバーがステージに登場。アンコールでは、全員が一列に並び、「じゃあね」を合唱。ファンの歓声とすすり泣きが交錯する中、メンバーたちはそれぞれにマイクを通して感謝の言葉を述べた。

1985年、「夕やけニャンニャン」(フジテレビ系)の番組企画から誕生したおニャン子クラブは、「素人感」「身近さ」を前面に押し出した新しいタイプのアイドルグループとして瞬く間に大ブレイク。会員番号制度、頻繁なメンバー入れ替え、ソロやユニットでの活動など、そのスタイルは後のアイドル像に大きな影響を与えた。

メンバーの多くは今後、芸能界に残る者もいれば、学業や別の道へ進む者もいるという。解散後の動向にも注目が集まる中、プロデューサーである秋元康氏は「ひとつの時代が終わった」と語り、感無量の様子だった。

ライブ終了後、会場外にいた20代の男性ファンは「毎日テレビで見て、歌って、一緒に育った感じです。今はただ、ありがとうと言いたい」と語った。

おニャン子クラブは去ったが、その影響力は今後も音楽界に残り続けるだろう。

— RekisyNews 芸能面【1987年】

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