「かぐや」、月へ──日本の月探査が新たな時代へ突入

 【種子島 9月14日】

本日午前10時31分(日本時間)、月周回衛星「かぐや(SELENE)」を搭載したH-IIAロケット13号機が、鹿児島県・種子島宇宙センターより打ち上げられ、無事に軌道投入に成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によれば、「かぐや」は順調に飛行を続けており、今後数週間をかけて月周回軌道へと向かう予定だ。

「かぐや」は、日本が独自に打ち上げる史上最大規模の月探査計画であり、約1.8トンの本体と二つの子衛星を用いて、月の地形・重力場・元素分布などを精密に観測する。衛星は高度100kmの極軌道を周回しながら、世界中の科学者が注目するデータを収集する見込みだ。

記者会見でJAXAの担当者は、「日本の宇宙開発における大きな一歩です。月の起源や進化の解明に寄与し、人類の宇宙進出にもつながる成果を目指します」と語った。

国際的にも注目される本計画は、アポロ計画以来の本格的な月探査とされ、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドなど各国も相次いで月探査計画を進行中だ。日本の「かぐや」は、高性能なセンサーや高解像度カメラを搭載しており、月の立体地形図や月面の動画撮影といった“世界初”の成果も期待されている

打ち上げを見守った市民や観光客からは歓声が上がり、観測エリアには祝福ムードが広がった。地元の小学生は「僕も将来、宇宙飛行士になりたい」と目を輝かせていた。

「かぐや」の月到達は10月中旬ごろの見込みで、本格的な観測は11月から開始される予定だ。

— RekisyNews 科学技術面 【2007年】

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