若き日本人指揮者・小澤征爾、ブザンソン国際指揮者コンクールで栄冠

【ブザンソン(フランス)9月12日】

世界の若き才能が集うブザンソン国際指揮者コンクールにおいて、本日、日本出身の若手指揮者小澤征爾(おざわ・せいじ/23歳)が第1位の栄誉に輝いた。同コンクールはフランス東部の古都ブザンソンで毎年開催されており、国際的な登竜門として知られる。

小澤氏は、東京芸術大学を卒業後、アメリカ・タングルウッド音楽祭で研鑽を積み、かのレナード・バーンスタインの薫陶も受けてきた逸材。今回のコンクールでは、明晰かつ情熱的な指揮ぶりと、オーケストラとの高い一体感が審査員団に高く評価され、各国の才能を退けての圧勝となった。

審査員の一人は「小澤のタクトからは、単なる技術ではなく、音楽そのものへの深い愛と誠実さが伝わってきた」とコメント。聴衆からも演奏後、長いスタンディングオベーションが贈られた。

小澤氏は表彰式の後、「日本を代表する指揮者として恥じぬよう、これからも精進したい」と静かに語った。若干23歳の快挙に、日本の音楽界からも喜びと期待の声が相次いでいる。

この優勝により、今後はヨーロッパ各地のオーケストラとの共演の機会が増える見込みであり、日本のクラシック界に新たな風が吹き込まれることになりそうだ。

— RekisyNews 芸術・文化面【1959年】

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