少女漫画雑誌『ちゃお』が創刊 少女たちの新たな夢舞台に

 【東京 9月3日】

小学館は本日、新たな少女漫画雑誌『ちゃお』を創刊した。これまで『りぼん』(集英社)や『なかよし』(講談社)といった既存の人気誌が競い合う中に、第三の勢力として名乗りを上げた形であり、出版・漫画業界にとっても注目の一手となっている。

『ちゃお』は、主に小学生から中学生の少女を主な読者層と想定しており、「夢とときめきを届ける」ことを掲げている。創刊号には、恋や友情、家族愛などをテーマにした新作読み切り作品を中心に、多彩な漫画家たちの描き下ろし作品が掲載された。装丁はカラフルで親しみやすく、誌面全体にポップな雰囲気が溢れている。

小学館広報によれば、「現在の少女たちが求めているのは、現実の悩みに寄り添いながらも、夢と希望を感じさせてくれる作品群。『ちゃお』はそのニーズに応えるために生まれました」としており、同社がこれまで少年誌や学年誌で培ってきた編集ノウハウを活かした内容になっているという。

読者投稿コーナーや付録にも工夫が凝らされており、創刊号ではオリジナルの文房具セットが封入されるなど、付加価値の高さも目を引く。少女漫画誌間の競争が激化する中、『ちゃお』がどこまで読者層を広げられるかが今後の焦点となる。

創刊に合わせて、全国の書店には特設コーナーが設けられ、開店直後から多くの少女たちが手に取る様子が見られた。初版部数は20万部とされており、すでに一部地域では完売も報告されている。

新たな少女の夢舞台『ちゃお』。その一歩が、未来の名作や人気作家の登場へとつながっていくことを期待したい。

— RekisyNews 文化面 【1977年】

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