ビートルズ、米サンフランシスコで最後の公演か? 熱狂と不安交錯

【サンフランシスコ 8月29日発】

世界的人気を誇る英ロックグループ「ビートルズ」が本日、サンフランシスコのキャンドルスティック・パークで全米ツアー最終公演を行った。会場には約2万5千人の観客が詰めかけ、熱狂の渦に包まれたが、関係者の間では「これが事実上、最後の公式コンサートになるのでは」との見方が広がっている。

午後8時過ぎ、4人がステージに登場すると、会場は大歓声に包まれた。ジョン・レノンがギターをかき鳴らし、ポール・マッカートニーが歌い出すと、スタンドの観客は総立ちとなり、曲間のMCもかき消すほどの叫び声が響いた。

演奏されたのは「ロック・アンド・ロール・ミュージック」「ペーパーバック・ライター」「イフ・アイ・ニーデッド・サムワン」など11曲。終了時にはジョージ・ハリスンが「ありがとう、サンフランシスコ!」と叫び、ファンは涙を浮かべて手を振った。

しかし一方で、近年の過熱する人気と騒動にメンバーが疲弊しているとの指摘もある。ジョンの「キリスト発言」騒動をきっかけに南部各地でレコード焼却運動が起こるなど、全米ツアーは混乱の中で続行された。さらに、大音量の観客の歓声で演奏がかき消されることへの不満も強く、舞台裏では「スタジオ制作に専念したい」との声が漏れている。

会場周辺では警備体制が敷かれたものの、熱狂したファンが出口でメンバーを追いかけ、パトカーが一時出動する騒ぎもあった。サンフランシスコ市警は「大きな事故はなかったが、これ以上のツアー継続は危険」とコメントしている。

ビートルズは今後、ロンドンに戻り新しいアルバム制作に入る予定だ。

キャンドルスティック・パークを包んだ最後の旋律は、世界のポップシーンの転換点を告げる鐘となるかもしれない。

— RekisyNews 国際・文化面 【1966年】

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