ブロードウェイに新星誕生 ── 『マイ・フェア・レディ』開幕、絶賛の嵐

【ニューヨーク 3月15日】

本日、ブロードウェイのマーク・ヘリンジャー劇場において、新作ミュージカル『マイ・フェア・レディ』が華々しく初演を迎えた。終幕と同時に観客席からは地鳴りのような喝采が巻き起こり、本作が今後数年にわたるブロードウェイの顔となることを予感させた。

本作は、言語学者が下町の粗野な花売り娘を淑女に仕立て上げるという、G・B・ショーの『ピグマリオン』を鮮やかにミュージカル化したものである。イライザ役を演じる若手女優ジュリー・アンドリュースの圧倒的な歌唱力と、ヒギンズ教授役レックス・ハリソンの知性溢れる語り口(レチタティーヴォ・スタイル)の対比は、これまでのミュージカルにはない洗練された気品を舞台に与えている。

フレデリック・ロウによる楽曲群も秀逸で、『踊り明かそう(I Could Have Danced All Night)』や『運がよければ(With a Little Bit of Luck)』といったナンバーは、劇場を後にする観客たちが早くも口ずさむほどの親しみやすさを見せている。また、セシル・ビートンが手がけたエドワード朝時代の豪華絢爛な衣装と舞台装置は、戦後の繁栄を謳歌するニューヨークの観客を魔法のような別世界へと誘った。

劇評家たちは一様に「完璧なミュージカル」と本作を讃えており、早くもチケットの入手が困難になることが予想される。単なる娯楽の枠を超え、階級社会への皮肉とロマンスを極上のメロディで包み込んだ本作は、ブロードウェイ黄金時代の頂点を象徴する傑作として長く語り継がれることになるだろう。

— RekisyNews 文化面 【1956年】

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