ライプツィヒに響く「珠玉の旋律」 ── メンデルスゾーンの新協奏曲、初演で喝采

【ライプツィヒ 3月13日】

本日、ドイツの音楽の都ライプツィヒにあるゲヴァントハウスにおいて、当代随一の作曲家フェリックス・メンデルスゾーン氏による新作、ヴァイオリン協奏曲 ホ短調の初演が行われた。この曲は、かつてない斬新な構成と息を呑むような美しさで、詰めかけた聴衆を深い感動の渦に巻き込んだ。

独奏の大任を果たしたのは、同管弦楽団のコンサートマスターであり、メンデルスゾーン氏の長年の友人でもあるフェルディナント・ダヴィッド氏である。驚くべきことに、この協奏曲は従来の形式とは異なり、オーケストラの前奏を待つことなく、冒頭から独奏ヴァイオリンが切なくも情熱的な第1主題を奏で始めた。この劇的な幕開けに、会場の空気は一瞬にして緊張感に包まれた。

さらに観客を驚かせたのは、全3楽章が一度も途切れることなく、流れるような連結(アタッカ)によって一気に演奏された点である。第1楽章の終わり、ファゴットの持続音が静かに第2楽章へと導く演出は、これまでの「楽章間の拍手」という習慣すら忘れさせるほどの没入感を生み出した。

残念ながら、メンデルスゾーン氏は体調不良により本日の歴史的な場に立ち会うことは叶わなかったが、代役を務めたニルス・ゲーゼ氏の見事な指揮により、ゲヴァントハウス管弦楽団は作曲家の意図を完璧に表現した。ダヴィッド氏による超絶技巧のカデンツァが再現部の前に置かれるという大胆な配置も、音楽的な必然性を持って聴衆に受け入れられた。

終演後、割れんばかりの拍手と歓声がいつまでも止むことはなかった。この「ホ短調協奏曲」は、ベートーヴェン以来の最高傑作として、ヴァイオリンという楽器の新たな地平を切り拓いたといえる。ライプツィヒで産声を上げたこの美しい旋律は、遠からずヨーロッパ全土、そして世界中の聴衆を虜にすることは疑いようがない。

— RekisyNews 文化面 【1845年】

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