自動車の旅に「赤い指針」 ── ミシュラン社、旅行案内書を創刊

【クレルモン=フェラン 3月8日】

本日、フランスを代表するタイヤメーカー、ミシュラン社より、自動車旅行者への利便性を追求した小冊子『ギド・ミシュラン』が創刊された。同社の創業者であるアンドレとエドゥアールのミシュラン兄弟が発案したこのガイドブックは、未だ冒険に近い要素を持つ「自動車の旅」を、より快適で安全なものに変える画期的な試みとして注目を集めている。

鮮やかな赤い表紙が目を引くこの冊子は、全国のタイヤ販売店やガソリンスタンド、車両の整備方法に加え、各地の宿泊施設や病院の位置を詳細な地図と共に掲載している。特筆すべきは、これほど充実した内容でありながら、自動車購入者や整備を依頼した顧客に対して無料で配布される点だ。

ミシュラン兄弟は、自動車が普及し、人々が遠くへ旅をすれば、それだけタイヤの摩耗が進み、自社の製品が売れるという壮大な販売戦略を描いている。アンドレ・ミシュラン氏は序文において、「この冊子は、自動車が普及し始めたこの新しい世紀とともに歩み、旅行者にとって欠かせない伴侶となるだろう」と、その自信を語った。

現在はまだレストランの星評価などは存在せず、あくまで「旅の困難を解消する実用書」としての色合いが強い。しかし、この一冊が、単なる広告媒体を超えて、フランス、ひいては世界の「移動」と「滞在」の文化そのものを変えていく可能性を予感させる。

— RekisyNews 文化面 【1900年】 

アイキャッチ画像 heurtelions – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5170891による

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次