【ニューヨーク 3月6日】
本日、ABCテレビの報道番組『グッド・モーニング・アメリカ』において、12年前のJ・F・ケネディ大統領暗殺事件の決定的瞬間を捉えた8ミリカラー映像、通称「ザプルーダー・フィルム」が全米で初めてテレビ放映された。これまで政府調査委員会や一部の研究者にしか公開されていなかった「沈黙の記録」が、ついに一般市民の目前に晒されたのである。
映像を撮影したのは、ダラスの衣料品メーカー経営者、エイブラハム・ザプルーダー氏。放映された約26秒間の映像には、オープンカーでパレードする大統領の頭部に銃弾が命中し、激しくのけぞる衝撃的な場面が克明に記録されていた。特に、大統領の頭部が「後ろ方向」へ強く弾かれる様子は、定説となっている「後方の教科書倉庫からの単独犯行」というウォーレン委員会の結論に、深刻な疑問を投げかけるものだ。
番組のホスト、ジェラルド・リヴェラ氏は、暗殺研究家のロバート・グローデン氏とともにこの映像を提示。「この映像を見れば、誰もが真実を疑わざるを得ない」と強調した。放映直後から放送局には抗議と驚愕の電話が殺到し、ワシントンでも政治家たちが沈黙を守らざるを得ない事態となっている。
ベトナム戦争やウォーターゲート事件を経て、政府への不信感が渦巻く今日のアメリカ社会。この「禁断のフィルム」の公開は、ケネディ暗殺という国家のトラウマを再び呼び覚まし、事件の再調査を求める国民の声を決定的なものにしようとしている。
— RekisyNews 国際面 【1975年】
