「吉本ヴァラエティ」旗揚げ ── うめだ花月、爆笑の新時代へ

【大阪・梅田 3月1日】

本日、大阪・北区に新装開館したうめだ花月劇場において、「吉本ヴァラエティ」の第1回公演が幕を開けた。吉本興業が戦後の演芸界再興を懸けて送り出したこの新機軸は、従来の漫才や落語とは一線を画す、笑いと人情を交えた軽演劇。これが後の吉本新喜劇へと繋がる、上方演芸史の記念すべき第一歩となった。

記念すべき第1回公演の演目は『アチャコのどてらい奴』。戦前・戦後の爆笑王として名高い花菱アチャコを主役に据え、劇団員たちが舞台狭しと暴れ回った。単なるドタバタ劇に留まらず、大阪らしい人情味溢れるストーリー展開に、詰めかけた満員の観客からは、割れんばかりの拍手と爆笑が巻き起こった。

今回の旗揚げには、アチャコ氏の他にも、後に新喜劇の黄金期を支えることとなる若手座員たちが多数参加している。吉本興業は、テレビ時代の到来を見据え、視覚的にも楽しめる「舞台中継」を意識した演出を強化。劇場と茶の間を笑いで直結させる新たなエンターテインメントの形を模索している。

「笑いの殿堂」として再出発したうめだ花月から、今まさに産声を上げた吉本ヴァラエティ。大阪の街に響くこの笑い声は、戦後復興を遂げた庶民の活力そのものだ。今後、この舞台からどのようなスターが誕生し、お茶の間を賑わせていくのか。上方お笑い界の勢力図を塗り替える、熱い興行が始まった。

— RekisyNews 文化・芸能面 【1959年】

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