光と音の交信、銀幕に「未知」の衝撃 ── 映画『未知との遭遇』本日公開

【東京 2月25日】

スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『未知との遭遇』が本日、全国一斉に公開された。昨年の米国公開以来、世界中で社会現象を巻き起こしてきた本作は、従来の「宇宙人=侵略者」という第二次世界大戦後の冷戦構造が生んだ恐怖の構図を根底から覆し、「知的生命体との対話」を壮大なスケールで描き出している。

今回の日本公開の背景には、空前の「UFO・宇宙ブーム」がある。これまでのSF映画が特撮技術による破壊を売りにしていたのに対し、スピルバーグ監督は光と音を媒介としたコミュニケーションをテーマに据え、観客に深い精神的感動をもたらす手法を選択。特にクライマックスで披露される、マザーシップと人類が5つの音階で交信を試みるシーンは、映画表現における新たな地平を盤石なものとした。視覚効果を担当したダグラス・トランブルによる圧倒的な映像美は、まさに「体験する映画」と呼ぶにふさわしい。

現場となった有楽町や新宿の映画館前には、早朝から熱狂的な映画ファンや親子連れが長蛇の列を作り、期待に胸を膨らませている。上映終了後のロビーでは、あまりの映像体験に呆然とする者や、興奮気味に内容を議論する人々の姿が目立った。ある会社員は「宇宙人が攻めてくるのではなく、音楽で語り合う姿に涙が出た。これまでの宇宙映画とは全くの別物だ」と、感極まった様子で語った。

この『未知との遭遇』の成功が、わが国の映画興行におけるSFジャンルの地位を盤石なものとし、後の映像クリエイターたちにいかなるインスピレーションを与えていくのか。銀幕に映し出されたあの眩い光は、単なる娯楽の枠を超え、人々の宇宙に対する価値観を劇的に変容させていくに違いない。未知なる存在との「握手」が、今、日本の観客の心に深く刻まれた。

— RekisyNews 文報 【1978年】

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